オービティング・スピニングスクロール機構の開発
スクロール技研では一般的なスクロール圧縮機構のオービティングスクロールと高速回転で小型化が可能なスピニングスクロールの両方を開発しています。
オービティング・スピニングスクロールのそれぞれの長所・欠点を把握し、用途に応じてお客様に提案可能です。
 
小型・軽量
スクロール技研ではスクロール機構が持っている小型化可能な特長をさらに進める開発をおこなっています。

圧力相殺機構
スクロール技研ではスクロール機構の欠点の一つである駆動軸方向のスラスト荷重をなくすため、圧力相殺機構を重点的に開発をおこなっています。

オービティング・スピニング

オービティング機構
オービティング機構とは固定されたスクロールと旋回運動をおこなうスクロールとからなり、固定・旋回スクロールの間運で流体を加圧する構造。
現在市販されている空気圧縮機や冷凍機用圧縮機、真空ポンプなどはほとんどがこのタイプである。
利点
部品点数が少なくて済むことや、旋回運動のため摺動速度が小さく遠心力が小さいことやチップシールなどの摺動摩耗が小さくなるなどの利点がある。
またスピニング機構に対し軸シールが不要となるなどの利点がある。
欠点
スピニング機構に対しバランスがとりにくく、また旋回スクロールにかかる倒れモーメントや遠心力のため高速回転が難しい。また大型化するほどスラスト荷重が増大し、その支持が難しいことから大型化は難しいといわれている。
スピニング機構

スピニング機構とは駆動スクロールと従動スクロールが一定の軸間距離を取って、ともに同期回転運動をすることで流体を加圧する構造。
利点
回転運動のためバランスがとりやすく、高速回転が可能なため小型製品に向いているといわれている。
欠点
吐出部に軸シールが必要なことや、部品点数が多くなるなどがあり、また回転同期機構としてのオルダムリングがあるが、この部品のアンバランスが発生し振動の原因になる。また一般的な構造は片持ち方式のためスラスト荷重やタンジェンシャル荷重の支持が難しい

オービティングスクロール:圧力相殺機構 当社特許


背面結合機構を採用し、2つの複数本の旋回軸で2つの旋回スクロールを背中合わせにと連結することで、従来機構で欠点となっていた
、スラスト荷重を相殺し、スラスト荷重を支持機構を不要とした。

オービティングスクロール:圧力相殺用組み込みモータ 特許出願中

スピニングスクロール:端板なし圧力相殺機構 当社特許

背面結合機構の間に特殊なフレームレスモータを採用しモータとの直結化により小型化・軽量化を可能とした。
また直結化が可能となったことで、冷凍機用圧縮機などへの展開が可能となった。
端板のない従動スクロールを駆動スクロールと駆動スクロール受で挟み込み、内部に発生するスラスト圧力を駆動スクロールの渦巻きラップで支持するため、スラスト方向の荷重が発生しない。

スピニングスクロール: 中間端板圧力相殺機構 当社特許

中間端板を採用し記端板なし圧力相殺機構の高圧力対応を実現した

スピニングスクロール:完全バランスウイングラップ機構 当社特許

二重巻ラップとすることで回転バランスが取れ、高速化が可能となり小型・軽量化がはかれる

組み合わせリップ型軸シール機構 当社特許

リップ型の軸シールとフェースシール型の軸シールを組み合わせた機構により、小形で様々な使用環境に対応可能なスクロール流体機械にマッチングした軸シールを作成可能とした。